俺的糞小説その119『倒錯の帰結』

倒錯三部作の最後となる今作、糞である。

この小説、首吊り島と監禁者、倒錯の帰結の3部構成の推理小説で、首吊り島では小説家の主人公が海上の
お堂で起きた密室殺人を推理するのだが、事件があった部屋は障子のある部屋で中からつっかい棒で密室状態に
なっており最初の事件はその部屋で矢で貫かれた死体が発見されるが犯人は最初に発見した奴だったという
つまらないトリックで、2番目の事件では同じ部屋で今度は一人が溺死しもう一人が毒殺されるが犯人は
一升瓶に入った海水でもう一人を溺死させた後自分が毒を飲んで自殺しただけというこれまたしょぼい内容で
村に伝わる童歌の通りに事件が起きるがそれぞれ犯人が別なだけにあまり意味がないなど、何ともつまらない
糞小説に仕上がっている。

また、第二部の監禁者-102号室の女はファンを名乗る女に監禁された小説家が推理小説を書かされるという
ストーリーで、その作家は第一部の小説家と同じ人物で首吊り島で起きた事件を小説にしていくのだが、
同時に上の階に住む別の女の視点が加わり監禁されている主人公を助けようとするがなぜか警察には通報せず
自分で窓を割って助けに行くのは不自然で、犯人を撃退し一緒に逃げ首吊り島に行きそこから第一部に続く
という感じで終わるが特に盛り上がりはなく、第三部の倒錯の帰結では作家志望の男が既存の2つの小説を
1つにして延々とループする構成にしていたことが分かるが、だから何なのかという感じで全く驚きがないのは
面白味がない。
2つの話が絡み合うという構成はともかく、それぞれの話がいまいちなのは何とかすべきだろう。

というわけで、色々と糞な今作。
もう少し面白い小説を出して欲しいものである。
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