俺的糞小説その113『Wの悲劇』

夏樹静子が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、家庭教師の女が教え子の別荘に招待されそこで殺人事件が起きるというストーリーなのだが、
教え子の伯父が刺殺されるが教え子が自分が襲われそうになったから殺したといきなり暴露する始末で、
教え子は悪くないということで家に帰らせ伯父は泥棒に殺されたことにして家族が工作をするが犯人の足跡を
作る時に使った靴を処分し忘れて警察にあっさりバレるという馬鹿っぷりで事件もそれだけで面白味がなく、
警察に追い詰められて教え子が犯行を自供するが伯父に襲われて刺殺したという話は嘘で真犯人は教え子の
父親だったと主人公が推理し、その後主人公が真犯人に殺されそうになったところを母親が刺殺するという
ドラマでよくありそうな展開になって終わるが娘が母親を庇うために逮捕されるのはいまいち不自然で、
相続人全員を共犯にすることで相続権を失わせ犯人が自分の夫や娘だった場合はその規定から逃れられるという
法律を利用して全ての遺産を得ることが目的だったらしいがそのために自分の娘を犯人に仕立て上げるというのは
いまいち納得のいかないものがある。
結局Wは事件が起きた和辻家やウーマン、数学での第四の未知数を表しているらしいが、肝心のこのしょぼい
事件は何とかすべきだろう。

というわけで、無駄に複雑なだけでいまいちな今作。
もう少しシンプルで面白いものを出して欲しいものである。
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