俺的糞小説その112『そして誰かいなくなった』

夏樹静子が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、豪華客船に集まった男女が次々と死んでいく推理小説で、登場人物は全員過去に殺人を犯したことが
あるという告発のようなテープが流れ、最初に毒を注射されて死んだ死体が見つかり次に鈍器で殴られ殺された
死体が見つかり、誰かが死ぬたびにそれに対応した干支の置物が消えるなどアガサ・クリスティーのそして
誰もいなくなったのような展開が進むのは良いのだが、その後もコンパスを細工されて船が陸とは反対の方向に
向かったりバスタブで水死体が発見されるなど事件が起き主人公、船長、医者の3人だけになるがいまいち
緊迫感がないのはいまいちで、医者は船長の妹と昔付き合っていて邪魔になり殺したことを主人公に告げて
これまた殺され、主人公は船長が犯人であることを確信し船長は主人公が犯人だと言い合いになり遂には銃で
撃ち殺し主人公も錯乱し海に身を投げるのだが、最終的に主人公以外は全員死んだふりで生きていたという
無理のある内容なのはいまいちで、動機は主人公の父親が多くの死者を出したというホテル火災事件の責任者で
それの復讐だったらしいが結局主人公以外全員犯人なだけに犯人当ての楽しさはなくトリックもなく最後は
主人公も死んでおらず海岸で目覚め主人公の父親が病死しただけで結局船のメンバーは誰も死ななかった
というオチで終わるなど、いまいち面白味がない。
全員死んだふりというのは流石に酷すぎだろうという感じだが、閉鎖空間で一人ずつ死んでいくなら緊迫感が
欲しいところだろう。

というわけで、色々とつまらない今作。
もう少し納得感のある面白いものを出して欲しいものである。
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