俺的糞小説その97『修羅の家』

我孫子武丸が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、女をレイプし殺してしまった主人公が謎の中年女に誘われて家まで付いて行ったら脅されて家族の
一員となりそこでの共同生活が始まるという謎ストーリーで、その家では色々な男女が集まっており中年女の
命令によって仕事をして稼いだ金を女に納めるシステムで男はボディーガードのようなことをやらされ、
同時にそこの家に住む若い女の高校時代の同級生の男の視点が加わり元々その家は若い女の家族が住んでいたが
父親が美人局に遭い中年女に家を乗っ取られたことが判明しそれを救おうとするのだが、弁護士などに相談
しないのは不自然で、中年女の命令によって最初の主人公が若い女を孕ませるが事故で階段から落ちてあっさり
主人公が死に若い女の腹の子も死に、もう一人の主人公である元同級生が最初の主人公の後釜として家に入り
込むが実は時系列を逆にしたトリックでこの元同級生が最初の主人公と同一人物で最初のレイプ殺人は人形で
演技だったことが判明するが本筋とはあまり関係ないだけに特に驚きはなく、その後は仕事で知り合ったヤクザを
使って中年女の持っていた金を奪い取ることに成功するが、結局中年女が自分が好きな男に貢ぐために彼らを
働かせていたことが判明するぐらいでその男は逃げて終わりで、主人公が後釜として入る前にいた男の死体は
家族がバラバラにして処分しておりそれを食べていたことも明らかになるが他は特になくあっさり終わるなど、
いまいち盛り上がりがないのは面白味がない。
殺戮にいたる病もそうだが必要性のない叙述トリックはいらず、わざわざ内部に侵入した割には外部の力で
無理やり終わらせる強引な展開は何とかすべきだろう。

というわけで、色々と糞な今作。
今作は尼崎事件が元になっているらしいが、小説のような事件を引き起こす馬鹿が実際にいるのだから
勘弁して欲しいものである。
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