俺的糞小説その96『幽霊男&三つ首塔』

横溝正史が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

幽霊男
この小説、幽霊男という顔を包帯で覆った男がヌードモデルを次々と殺害していくストーリーなのだが、
口癖がうっふっふ、だったり蝋人形と一緒に踊りだすなどいまいち馬鹿っぽく緊迫感がなく、同時に誘拐事件も
発生しそちらの犯人は事件を起こして記事をスクープしたかったというしょぼい動機の記者が犯人だが階段を
踏み外して倒れて捕まるという馬鹿っぷりで、その事件を利用して真犯人が浴室で湯船を血まみれにして殺したり
足を切断して花壇に置くなどの犯罪を犯しそれを写真に撮って芸術と称してコレクションして行き、最後は
金田一の推理によって捕まるが人形を死体と見せかけて殺害時刻を見誤らせるトリックを使うぐらいで特に
面白味はなく全体的に江戸川乱歩の駄作を真似た感があるなど、何ともつまらない糞小説に仕上がっている。

三つ首塔
また、三つ首塔は100億の遺産を巡って殺人事件が起きるというストーリーで、とある男と結婚したら主人公に
遺産が入る予定だったがその男が毒殺され同時に近くにいた探偵とダンサーも殺され、結婚が行われない場合は
7人の相続人に遺産を均等に配分することになりまた次々と事件が起きていくのは良いのだが、閉鎖空間では
なくあちこちで事件が起きるなど誰でも犯行が可能なのはいまいちで、相続人の一人が殺されその隣の部屋に
主人公がいた上に主人公のハンカチが現場に落ちていたことから疑われ、更に別の事件でも主人公と会話を
していた男が毒入りのチョコを食べて死ぬなど主人公の立場がどんどん危うくなり途中で知り合った恋人の男と
共に逃亡し、恋人の男が実は主人公と結婚予定だった本当の男で殺された男は偽物であることが明かされ
それを証明するための巻物が三つ首塔という供養塔にあるため探すことになるが、結局犯人は主人公の伯父で
主人公を溺愛していて結婚を阻止するために最初の殺人を犯しその後は主人公の遺産の取り分を増やすために
相続人を次々と殺していたと金田一が推理するが細かい説明がなくそれならなぜ現場に主人公のハンカチが
落ちていたのか謎で、最後は犯人が追い詰められて三つ首塔を放火して死に金田一がその前に証拠の巻物を
入手していたことから主人公と恋人が結婚し遺産も受け取りハッピーエンドになるがそもそもその恋人も
最初は主人公を強姦したり連れ回したりなど何がしたかったのか分からないなど、とにかくスッキリ感が
ないのは面白味がない。
登場人物も無駄に多すぎて分かりにくいが、この説明不足すぎる内容は何とかすべきだろう。

というわけで、共に糞な今作。
もう少し面白く納得感のあるストーリーにして欲しいものである。
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