俺的糞小説その95『Zの悲劇』

エラリー・クイーンが書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、シリーズに登場するサム警視という脇役の娘の視点で進む推理小説なのだが、国会議員が自宅で
刺殺されるが相変わらず聞き込みなどで無駄に長くテンポが悪く、事件の当日に被害者と会う約束をしていた
老人が疑われ真犯人は別にいると主人公とサム警視が主張しすでに老人になった名探偵のドルリイ・レーンの
助けを借りて捜査していくが容疑者の老人は有罪になり、その後老人が刑務所から脱走したタイミングで今度は
死んだ国会議員の兄が殺され、老人はまた捕まり今度は死刑を宣告され最後は探偵が老人の無実を証明する
という流れになるが、真犯人は影が薄かった刑務所長といういまいちな内容でしかも犯行の動機は金目当てという
しょぼさで、殺された兄弟と知り合いの女は昔、船で船員を殺しダイヤを盗み出した過去があり、その船の
生き残りが冤罪で捕まった老人でそれを告発するために船の名前であるHEJAZを分割して記した箱を老人が3人に
送りつけており3人目に送った箱がZというのが今作のタイトルの由来だが結局老人は犯人ではないだけに
あまり意味がなくわざわざ主人公を変えたのも特に意味がないなど、色々と用意した要素が事件と結びついて
いないのは面白味がない。
これなら老人を冤罪と見せかけて真犯人にした方がまだましであり、主人公は間違った推理をする役にするなど、
もう少し構成を何とかすべきだろう。

というわけで、色々と糞な今作。
Zの悲劇はXやYと比べて人気がないようだが、結局3作共糞なのだから勘弁して欲しいものである。
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