俺的糞小説その94『リベルタスの寓話&クロアチア人の手』

島田荘司が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

リベルタスの寓話
この小説、ボスニアで起きた殺人事件を探偵御手洗が解き明かす推理小説で、頭部が切断され臓器が取り除かれ
電球などが詰め込まれた謎の死体が発見され、臓器は別の場所で発見されるが腸だけがなくリベルタスという
ブリキの人形に偽の臓器を埋め込んで蘇らせる伝承のようなものに見立てられていたことが判明するのだが、
犯人の殺害動機は病気で治療に必要な骨髄を奪うためだったらしいが腸を奪ったのは被害者が持っていた
コインを奪って持ち帰るためだったという謎な理由で、しかもコインを持ち帰った後も腸の中にコインを
入れたまま屋根の上に放置して証拠を残すという馬鹿っぷりで犯人も最初から分かっているだけに当てる
楽しさはなく、骨髄を移植したことで血液型が変わり現場に残された犯人の血痕が証拠にならないという
トリックはあるが他は特に探偵との駆け引きもなくあっさり罪を認めて終わるなど、何ともつまらない糞小説に
仕上がっている。

クロアチア人の手
また、クロアチア人の手は密室状態でピラニアの入った水槽に頭が沈んだ状態で死体が発見される事件が起き、
それを御手洗が電話越しに解決するというものだが義手を遠隔操作で動かしカギを掛けるという無理のある
トリックで2人いる内の一人が被害者でもう一人が犯人で犯人当ての楽しさもないなど、これまたいまいち
面白味がない。
金田一でも最近はスマホなど最新の機械を使ったトリックが使われたりしているが、そういうのをミステリに
持ち込むのはやめて欲しいところだろう。

というわけで、共に糞な今作。
島田荘司も最近はろくなものがないが、作家や作曲家など過去に良い物を作っていたクリエイターがどんどん
劣化していくのだから何とかして欲しいものである。
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