俺的糞小説その89『びっくり館の殺人』

綾辻行人が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、主人公が小学生時代に体験した殺人事件を思い出すというストーリーで、びっくり館という有名な
家に住む老人の孫と友達になり館に遊びに行き、びっくり箱がたくさんある部屋で隠し扉があることを知ったり
孫の誕生会では祖父が謎の腹話術ショーを始め、この館は他の館シリーズと同じ建築家が作った家でびっくり箱は
笑わなかった娘を笑わせるために集めたことなどが語られ、更にこの館ではかつて祖父の娘が孫娘を殺す殺人
事件が起きたことなどが明らかになるのだが、なかなか現在での事件が起きないのは面白味がなく、事件は
祖父がカギの掛かった部屋でナイフで刺されて死に部屋には腹話術の人形が置かれていたことが描写されるが
結局その人形は孫で腹話術ショーの人形もその孫だった、という登場人物全員が知っていたのに書かない
アンフェアな内容なのはいまいちで、人形だと思っていたものが孫だったなら密室でも何でもなくそいつが
犯人だろ、という単純な内容でトリックも何もなく、最後は主人公が犯人の動機は祖父とその娘との近親相姦で
できた子供が孫でその孫には悪魔の人格が宿っていてそれが祖父を殺した、と推察しその孫と久々に再会するが
孫の目が不思議なオレンジ色に変わったというオカルト的な描写で終わるなど、いまいち納得がいかない作り
なのは面白味がない。
孫が犯人なのは良いとしてももう少し色々な事件が欲しいところであり、びっくり館という舞台を用意したのなら
そういう仕掛けを使ったトリックを入れるべきだろう。

というわけで、色々と駄目な今作。
今作はミステリーランドという児童向けの作品らしいが、それで近親相姦を扱っているのだから謎である。
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