俺的糞小説その87『絶望ノート』

歌野晶午が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、いじめられっ子の日常が日記形式で語られるというストーリーで、消しゴムを投げられたり着替えを
隠されたり殴られたり金を取られるなどのいじめを受け、遂には自殺を決意するがいじめっ子が石に躓いて
骨折したことからその石を神と崇め始め、更に万引きをさせられるが石に願ったらいじめっ子の一人が階段から
落ちて骨折し、好きな女子との会話で舞い上がっていたところを盗撮されてネットにアップされて馬鹿にされ
今度は石にいじめっ子を殺すように願うと屋上から転落死するなど本当に事件が次々と起きていくのはまあ
良いのだが、そこまでだけでも無駄に長いのはテンポが悪く、母親は息子の日記を見つけて担任に相談するが
いじめはないと言われ探偵を雇っていじめの証拠を掴むよう依頼するが進展があまりなく中途半端で、本当は
主人公がいじめっ子を殺したと同級生の女子に疑われるがその女子も何者かによって殺されなぜか担任が自殺し、
警察は主人公の両親が怪しいと思い捜査するが結局日記を見た親が子供のために殺していたといういまいちな
内容で驚きがないなど、何ともつまらない糞小説に仕上がっている。

また、父親は直接いじめっ子を殺したわけではなく担任の弱みを握り担任を操って殺しその後担任を自殺に
見せかけて殺したらしいが具体的にどうやったのかが書いておらず説得力が薄く、主人公は自分がいじめられる
切っ掛けになった変な名前をつけた父親を殺すよう神に願い父親も死ぬが教師と父親が実は親子関係だった
という年齢的に無理のある設定が明らかになりその教師が父親を事故に見せかけて殺したというこれまた
いまいちな内容で、最後は日記は創作でいじめは嘘で親が助けてくれるかを試す実験だったというどんでん返しが
起きるがいじめっ子は本当はただの友達で成績も良く自分とは釣り合わないにも関わらず仲良くしていたことから
主人公が縁を切りたかったらしいがそれだけのためにここまで嘘をつき多くの死者を出したというのは納得が
いかず、最後は本当のいじめっ子のような同級生にナイフを突きつけられ中途半端に終わるなど、スッキリ感も
ないのは面白味がない。
これなら主人公が別人格でいじめっ子を殺していたというオチにした方がまだ良く、教師や親が役に立たない
無能なせいで復讐のモンスターが生まれたといった内容の方がスッキリ感があると言えるだろう。

というわけで、色々と糞な今作。
現実でもたびたびいじめによる自殺などが起きているが、責任逃れで認めない教育者が多いのだから勘弁して
欲しいものである。
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