俺的糞小説その85『探偵映画』

我孫子武丸が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、推理映画を撮っていた監督が突如失踪し残りのスタッフが映画を完成させるために奔走するという
ストーリーで、続きの脚本がないために自分達で結末を考えることになり犯人役をやりたい俳優がそれぞれ
自分が犯人だと名乗りを上げストーリーを考察し、映画のセットがそのように作られていないからこのトリックは
使えないと反論されたりなどフィクションならではな推理が展開されていくのだが、風船に怖い顔を書いて
それで被害者を驚かせて窓から落としたというギャグのようなものはあるが特に面白いトリックはなくどの
推理もいまいちで、結局主人公が考えた探偵が犯人というストーリーが採用され撮影が終わったところで監督が
ようやく帰って来るが監督が突然失踪し残りのスタッフがどう動くかをビデオに撮って売るためだった、という
つまらないオチで、監督が考えた本当の結末は最初に死んだ奴が犯人でそのシーンは本当は時系列的には
最後だったというアンフェアな内容で終わるのはいまいち面白味がない。
全体的にヒッチコックやホドロフスキーなどの映画の薀蓄を語るシーンのほうがましという感じだが、この
推理部分のつまらなさは何とかすべきだろう。

というわけで、色々といまいちな今作。
ゲームも小説も映画もそうだが、もう少し面白いストーリーの推理作品を出して欲しいものである。
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