俺的糞小説その77『侵入者 自称小説家』

折原一が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、まだデビューもしていない自称小説家が一家殺人事件の遺族から謎を解き明かしそれを小説にして
欲しいと依頼されるストーリーで、情報を集めるパートとそれを元に小説化したパートが交互に展開されて
行くのだが、関係者への聞き込みばかりでなかなか話が進まないのはいまいちで、主人公は別の資産家夫婦
殺人事件と今回の事件は犯人が同じではないか?と推理するが犯人をおびき寄せるために事件を再現するという
倒錯の死角と同じような意味不明なことを言い出し遺族も主人公が書いた台本通りに演じる始末で、しかも
犯人のピエロ役の主人公が家に侵入するシーンで落ちて怪我をするという馬鹿っぷりで最終的に依頼人が
主人公が犯人であると推理し主人公は依頼人が犯人だと推理するがそれならなぜわざわざ事件を再現したのかが
謎で、結局脚本を書いている途中で推理を修正し犯人は長女で親や弟を殺した後に第一発見者である祖母に
殺されたことが明らかになるが資産家夫婦事件の方は本当に主人公が犯人だったといういまいちな内容で更に
二重人格っぽい描写があるが説明はなく終わるなど、いまいち中途半端で面白味がない。
全体的に倒錯の死角を更につまらなくしたという感じだが、これならこんな再現はいらず普通に長女と祖母が
犯人であることを突き止めるだけで十分だろう。

というわけで、色々と糞な今作。
今作は世田谷一家殺人事件をモチーフにしたらしいが、犯人の指紋も血液も残されていた割にはいまだに
捕まらないのだから謎である。
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