俺的糞小説その76『キューピー&瓶詰地獄&きのこ会議』

夢野久作が書いたこの短編小説、糞である。

キューピー
この小説、おもちゃ箱からいなくなったキューピー人形を別のおもちゃが探すという童話のようなストーリー
なのだが、ねずみに聞くと猫がやったと言い猫に聞くとねずみがやったと言い天井裏を探すと無事に見つかるが
それだけというつまらなさで、最後は猫がその後大きくなってねずみを殺したらしいが何の盛り上がりもなく
終わるなど、何とも中身のない糞小説に仕上がっている。

瓶詰地獄
また、瓶詰地獄は砂浜に漂着したビール瓶に入った3つの手紙の内容が語られるというストーリーなのだが、
これから二人で身を投げて死ぬという話、二人の兄妹が島に流れ着き暮らしていたが妹が成長する内に兄が
一線を超えたくなるという話、早く助けに来て下さいという電報のような内容、が語られるだけでこれまた
中身がなく、3、2、1の順番で手紙が書かれたのだろうことが分かるだけで他は何も説明がなく何が言いたい
のか分からないなど、これまた糞すぎて良さというものがない。

きのこ会議
更に、きのこ会議は松茸やしいたけなどのキノコが会議をするストーリーなのだが、松茸が子孫を増やす前に
人間に収穫されて食べられてしまうのが残念と言い毒きのこが毒になればそんなことにはならないと言うが
その後に人間の子供がやって来て毒きのこは征伐すると言って踏み潰されて終わるというそれだけの話で、
これはオチがある分ましだが内容が薄すぎるのは面白味がない。
宮沢賢治の童話にどんぐりが裁判をするというものがあったが、この中身の薄さはもう少し何とかすべきだろう。

というわけで、いずれも糞な今作。
夢野久作は元々童話作家だったらしいが、変な探偵小説のようなものを書くようになったのは時期的に
江戸川乱歩の影響に違いない。
inserted by FC2 system