俺的糞小説その75『アリス殺し』

小林泰三が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、大学生の女が不思議の国のアリスの夢を見るたびに大学の関係者が死ぬというサスペンスストーリー
なのだが、最初は夢の中でトカゲと会話をするが合言葉がどうだのとどうでもいい話がだらだらと続くなど
うざく、ハンプティ・ダンプティが何者かに塀から落とされて死に現実世界でも大学の研究室で玉子という
あだ名の男が屋上から墜落死する事件が起き、更に関係者の数人が同じ夢を見ていることが判明し教授が牡蠣を
食べて死ぬ謎の事件が起きたり夢の世界では白うさぎだった女が謎の男に刺殺されその男も自殺するなど次々と
事件が起きるが会話が堂々巡りな場面が多くテンポが悪く、最終的に犬に食われたトカゲがダイイングメッセージを
残しそれによって主人公が犯人を突き止め准教授が出世のために邪魔な人間を夢の世界で殺していたことが
判明するが夢の世界で殺すと現実世界でも死ぬというシステムなだけに現実世界では何も犯罪を犯しておらず、
それにも関わらずなぜか現実世界で犯人を追い詰めたら自殺するという謎展開で、しかも死んだにも関わらず
夢の世界では准教授はメアリーアンとして生きており実は夢の世界が現実で人間の世界が夢というトンデモな
内容で犯人に捉えられ巨大化するキノコを食べさせられて主人公のアリスも殺されるが主人公は本当はアリス
ではなくアリスのペットのネズミだったという何でもありな内容で最後は女王に悪事がバレて犯人が処刑されて
終わるなど、荒唐無稽すぎていまいち面白味がない。
不思議の国のアリスの世界が現実なら何で夢の中の出世のために人を殺すんだよ、という感じだが、この
テンポの悪い無駄な会話やトンデモな内容はもう少し何とかすべきだろう。

というわけで、色々と糞な今作。
今作はメルヘン殺しシリーズで他にもクララ殺し、ドロシイ殺し、ティンカーベル殺しがあるらしいが、
もう少し普通のサスペンスにして欲しいものである。