俺的糞小説その73『ドア→←ドア&幽霊病棟&烏勧請&有罪としての不在』
歌野晶午が書いたこの短編小説、糞である。※ネタバレ全開
ドア→←ドア
この小説、同じアパートに住む知人をナイフで殺してしまった男が証拠を隠滅するストーリーなのだが、
賊に殺されたことにして死体を被害者の部屋に運ぶが自室のドアに血痕が付いていたことからドアを入れ替える
という大胆なことを行い、そのせいでカギも入れ替えることになり大家がスペアキーを持っているだけに
大家と一緒に第一発見者となることで上手くカギをすり替えるなど乗り切るのだが、同じくアパートに住む
大学生の信濃譲二という探偵役が推理するが主人公がまるで自分が犯人であるかのようにそれをムキになって
否定していくという馬鹿っぷりで、結局ドアに張ってあったゴミ収集の説明の紙が古かったことからその時に
不在だった被害者が貼れるはずがないというしょぼい理由でバレて終わるなど、いまいち犯人が馬鹿すぎて
探偵との駆け引きがないつまらない糞小説に仕上がっている。
幽霊病棟
烏勧請
また、幽霊病棟は恋人を殺した男が廃病院に死体を隠し、そこへたまたま肝試しで来ていた信濃と友人が死体を
発見するというストーリーなのだが、3階に死体をおいたのになぜか1階で発見されるという謎が発生するが
単に裏口から入ると3階が地面と同じ高さにあるというだけで特に面白味はなく、最後は犯人が逃げて3階を
1階と思い込んで飛び出して転落死するが結局動機などは語られずあまり推理要素がなく、烏勧請はゴミ屋敷で
カラスに食われた死体をバイト中だった信濃がまた発見するという内容だが結局はカラスが珍しい物を運んで
いた時に落としてそれが刺さって死んだというしょぼい内容で、ゴミを集めていたのは夫が妻を殺し庭に埋めた
死体の匂いをカモフラージュするためでカラスに殺されたのは妻に成り済ました愛人だったという推理を探偵が
するが本当のところは分からず中途半端に終わるなど、これまたいまいち良さというものがない。
有罪としての不在
更に、有罪としての不在は寮で殺人事件が発生し鍵の掛かった状態で死体が発見されるがベランダが隣の部屋と
繋がっており隣の住人が死体を見つけて人を呼びに行ったすきに犯人も逃げたというしょぼい内容で、犯人は
食堂のおばちゃんで被害者の元カノだったという無理のある設定だったり、更に読者への挑戦状が入るがそれは
同時刻に起きた別の殺人事件を当てるものだった、という はぁ?と言いたくなる内容でそちらはトリックも
何もなく必要性が感じられないなど、色々と糞すぎて全く面白味がない。
事件が1つだと思ったら2つ起きていたという仕掛け自体が必要ないが、肝心の事件がしょぼいのは何とか
すべきだろう。
というわけで、どれも糞な今作。
もう少し面白いものを出して欲しいものである。