俺的糞小説その70『ボッコちゃん&暑さ&生活維持省』

星新一が書いたこの短編小説、糞である。

ボッコちゃん
この小説、バーのマスターが趣味で女の美人ロボットを作りバーに置いたら客が話しかけて来るなど人気に
なるというストーリーなのだが、その中の熱狂的なファンが飲みに来る金がなくなりこれで最後という日に
ロボットが冷たい返事をしたので殺そうと毒入りの酒を飲ませたがなぜか客がそれを見届けずすぐに帰るという
よく分からない展開で、しかもそのマスターがロボットが飲んだ酒をまた使い回して飲ませるという酷い行為を
なぜかしていたためマスターを含めて全員死ぬという結末で、話はそれだけで結局毒を飲ませた犯人だけが
死なずに終わるなど、何とも理不尽で何が言いたいのか分からない糞小説に仕上がっている。

暑さ
また、暑さは暑い夏の日に交番に男が現れ自分を捕まえてくれと言い、話を聞いてみたらまだ何もしていないが
何かをしそうだから捕まえてくれという話で、まだ何もしていないなら逮捕できないと言うと今度は自分は
最初はアリを潰してストレスを発散していたが段々と対象がでかくなり一昨年は犬、去年はサルを殺したと
言い始め、それでも逮捕はできないと断ると諦めてようやく帰ろうとするが家族がいるのかを聞いたら最近
結婚したことを話して終わるというそれだけの話で、この後は遂に人を殺すのだろうがこの時点でまだ殺して
いないならどっちみち逮捕はできないだろ、と言いたくなるだけでいまいち面白味がない。

生活維持省
更に、生活維持省は政府の役人が人口を一定数まで削減するために各地を回り人間を銃で殺し削減して行く
というストーリーなのだが、次のターゲットが自分に決まり最後はこんな生存競争も戦争もない時代に生まれて
楽しかったと言って終わるだけでオチが面白味がなく、それなら後から殺すのではなく最初から許可した人間
だけ生きられるシステムにしろよ、と言いたくなるだけでいまいち盛り上がりがない。
そもそもターゲットの少女を殺すなら次のターゲットは主人公の娘にした方が因果応報的で良く、良いシステム
だと思っていたが自分の番になったら抵抗するなど、もう少し感情の変化を描いて欲しいところだろう。

というわけで、いずれも糞な今作。
星新一の小説は世にも奇妙な物語にもよく採用されており、穴の原作のおーいでてこーい、やネチラタ事件などは
まあまあ良いが、オチがつまらないものが多いのは何とかして欲しかったものである。
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