俺的糞小説その69『玩具修理者&酔歩する男』

小林泰三が書いたこのホラー小説、糞である。

玩具修理者
この小説、主人公が彼女に子供の頃にいた玩具修理者についての話を聞くというストーリーで、どんな壊れた
おもちゃでも直す「ようぐそうとほうとふ」という不思議な人物がおり、ある日階段から落ちて弟を死なせて
しまった彼女がその弟の死体を直して欲しいと頼んだら死体をバラバラにし始めそこから見事に生き返らせ、
更に弟が成長せず髪も伸びなくなったため再び何度も解体して作り直してもらった、という話をするのだが、
主人公がそんなのは夢だろと言うと彼女がキレて生物と無生物に違いはないと言い出し、自分も階段から落ちて
怪我をして修理してもらった、自分の目は猫の目でできていると言って見せるが最後は主人公が「姉さんは何者?」
と言って今まで姉弟で話していたことが分かって終わるだけで内容がなく、そもそも姉なら最初に彼女と
言うなよ、と言いたくなる何とも意味不明な糞小説に仕上がっている。

酔歩する男
また、酔歩する男は大学時代の親友だったという男がバーで話しかけて来るというストーリーで、名前を聞いても
主人公の方は思い出せずまた明日話そうと言うと明日自分はいなくなると意味不明なことを言い出し、更に
大学時代のことを語り出し石のにおいが好きという謎の後輩の女と恋仲になり喧嘩別れした後にその女が
主人公と仲良くしているのを発見し嫉妬し、結局どっちの男と付き合うのか本人に聞くことになるが丁度
その日に線路に転落して女が死亡し2人で責任を巡って喧嘩したり悲しみ出すのだが、その後に色々な研究を
して時間の流れを認識する脳の領域を破壊すれば時間を逆行して再び彼女に会えるというトンデモな理論を
編み出しそれを2人で実行しそこからは眠るたびに違う時間にタイムトラベルするという現象が起きるが
ランダムで飛ぶだけで好きな日に行けず意味がなく、結局バーでの話が終わり主人公が家に帰るが自分の妻が
その死んだ女であることを示唆して終わるという謎展開でこれまたいまいち意味不明なのは面白味がない。
脳をいじってタイムトラベルをするというのは新しいが、ホラーなら時間を飛びすぎて廃人になったり自分が
生まれる前まで飛んで消滅したりなど、もう少し分かりやすいバッドエンドが欲しいところだろう。

というわけで、共に糞な今作。
玩具修理者は過去に映画化もされたが、短い話なら無理やり引き伸ばさず世にも奇妙な物語で映像化して
欲しいものである。
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