俺的糞小説その68『押絵と旅する男&双生児&夢遊病者の死』

江戸川乱歩が書いたこの短編小説、糞である。※ネタバレ全開

押絵と旅する男
この小説、汽車の中で押絵を持った男に出会うというストーリーで、押絵を遠くから双眼鏡で見てみろと言われて
見たらまるで描かれた人物が生きているように見えその描かれた人物は自分の兄だと言って身の上話が始まり、
ある日フラフラと出かける兄の後を尾行したら浅草の凌雲閣に着き兄に何をしているのかを聞くと望遠鏡で町を
覗いていたら美しい娘を発見しそれが忘れられず毎日同じように娘を探すために望遠鏡で覗いていたということを
告白し、その後にまた見つけたと言って今度は実際にその場所に行ったら押絵だったというそれだけの話で、
兄はなぜかいなくなりその押絵の隣に描かれていたというファンタジーな結末で結局その絵を弟が買い取り
今こうして絵になった兄と旅をしているという不思議話をして終わるなど、特に面白味のない何ともつまらない
糞小説に仕上がっている。

双生児
また、双生児は死刑囚の男が自分の罪を語るというストーリーで、その男は双子の弟で兄が持つ財産や妻を
奪うために兄を殺して古井戸に落とし自分が兄になりすますことに成功するが金遣いが荒く友人の金を盗み
それがバレてまた殺人を犯し、その時に兄の指紋を残して自分は再び弟に戻って嫌疑から逃れるという方法を
実行するがその兄の指紋は兄の日記から型を取ったものだが自分の指紋だったという謎展開で、それが証拠と
なり結局逮捕されるがなぜ弟の指紋が兄の日記に付いていたのか説明がなく、兄を殺してからは鏡に写った
自分の顔が兄に見えて怖くなったなどと最初に語っていた割にはその原因も説明がないなど、いまいちまとまりが
ないのは面白味がない。

夢遊病者の死
更に、夢遊病者の死は夜中に寝ぼけてその辺を歩き回る病気を持った主人公がある日仲の悪かった父親の死体を
発見し、警察の捜査で他殺であることが判明したことから自分が寝ている間に殺したと思い込み逃げ出すが
途中で熱中症のせいか死ぬという謎展開で、警察も主人公が犯人と思い込むがそこで使用人が自首をして来て
冷房用の氷を転んだ拍子に落としそれが被害者に当たって死んでしまったと告白し結局しょうもない事故だった
ことが判明して終わるだけで殺人事件ですらないのは面白味がない。
夢遊病の話はすでに二廃人でやっているだけにこうなったのか知らないが、結末がしょぼいのは何とかすべきだろう。

というわけで、いずれも糞な今作。
最近でも結末がしょぼい小説は多いが、もう少し読後感の良いものを出して欲しいものである。
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