俺的糞小説その57『Xの悲劇』

エラリー・クイーンが書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、満員電車の中で起きた殺人事件を警察や探偵ドルリー・レーンが捜査する推理小説なのだが、
捜査によりポケットに入っていたコルクに刺さった針に毒が塗られておりこれが凶器ということが判明するが
ひたすら警察による取り調べが始まるなど地味で面白味がなく無駄に長く、しかも探偵はこの時点で犯人が
分かったらしいが言わずそのせいで第2第3の事件が起きるという馬鹿っぷりで、第2の事件では車掌が
事件について話したいからフェリーの船上に来てくれと言って警察が駆けつけたら船上から車掌が落下し
顔が潰れた状態で発見されるという怪しい事件が起こり、その後は最初の被害者の共同経営者がなぜか逮捕され
裁判が始まるなど早く探偵が真犯人を捕まえろよ、と言いたくなるテンポの悪さで、結局無罪になるが電車で
一人になった時に射殺されるという事件がまた発生し、その時に人差し指と中指が交差してXの形をしていた
ことから何らかのダイイング・メッセージであると判断し、ようやく探偵が車掌が犯人でフェリーの死体は
替え玉でXは切符に押すパンチ穴を表している、と推理するがそもそも最初から分かってたなら早く言えよ、
という話で、心臓を打ち抜かれて射殺されたのにそんなものを残す暇があり指の形を維持できるのかも謎で、
他にも探偵が警視に変装して捜査する非現実的な要素があったりなど、突っ込みどころも多くいまいち面白味がない。
そもそも顔が判別できない死体が登場した時点でこれは替え玉で犯人は車掌というのがバレバレだが、
ダイイング・メッセージが特徴的なだけで事件自体が地味で特徴が薄いのは何とかすべきだろう。

というわけで、色々といまいちな今作。
今作は本格ミステリ史上の大傑作らしいが、この程度なら名探偵コナンや金田一少年の方がこれよりましな
話がいくらでもあると言えるだろう。
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