俺的糞小説その44『ファウスト』

ドイツの文豪、ゲーテが書いたこの戯曲、糞である。

この本、悪魔メフィストフェレスと神がファウストという学者の魂を悪に引きずり込めるかどうかを賭ける
ストーリーで、ファウストは悪魔と契約して若返りグレートヒェンという女と恋仲になるが邪魔だった女の
母親を睡眠薬で死なせてしまった上にこれまた邪魔だった女の兄と決闘をし殺すという早くも悪に堕ちる謎展開で、
もうこの時点で神の負けだろ、と言いたくなるがそうはならずヴァルプルギスの夜という悪魔の饗宴に悪魔が
ファウストを連れ出したりグレートヒェンが妊娠し子供が生まれるがなぜか沼に沈めて殺しその罪で投獄される
など説明不足すぎて意味がわからず、結局グレートヒェンは死刑になりファウストが絶望し第一部が終わるなど、
いまいち何がしたいのか分からない糞戯曲に仕上がっている。

また、第2部ではファウストが悪魔と共に皇帝に近づき家臣となりヘレナという神話上の女に恋をし探すために
ギリシャ神話の世界に行くというトンデモ展開で、結局ヘレナと結婚しまた子供ができるがその子供が事故死
してしまい、その後は皇帝の軍を指揮し戦争をしたり土地を開拓する事業を始めるが悪魔が立ち退きを拒否した
老人を殺してしまったことから悪魔を追放しなぜかファウストは謎の霊に息を吹きかけられて失明するという
これまた意味不明っぷりで、最後は事業が進み達成感で幸福を感じたファウストが死んで終わるだけで何の
盛り上がりもなくグレートヒェンの祈りによってファウストの魂は悪に堕ちず終わるというご都合主義展開で
終わるなど、構成も適当すぎて面白味がない。
今作はそもそもゲーテの完全なオリジナルではなくドイツで広まっている伝説が元らしいが、悪に堕ちるか
どうかという賭けが主軸ならもう少し主人公の善悪に揺れ動く心を描いて欲しいところだろう。

というわけで、色々と糞な今作。
ファウストは手塚治虫が日本を舞台にしたアレンジを加えて漫画化したが、原作よりはましなだけに
未完で終わったのは残念である。
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