俺的糞小説その37『湖畔亭事件&陰獣』

江戸川乱歩が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

湖畔亭事件
この小説、覗きが趣味の男がレンズで遠くから脱衣場を覗いていたら殺人事件を目撃し、現場に行ったら死体が
消えており血痕だけが残されていたというストーリーで、探偵役の友人と一緒に事件を調べ結局風呂焚きの男が
犯人ということになり死体は焼却したという推理が始まるが結局死体は見つからず犯人の男は事故で転落して
死ぬという中途半端な結末で終わるのだが、帰りに汽車で帰る途中で探偵役の友人が暴露し殺人事件は存在せず
最初の事件は主人公を驚かせるための演技だったというつまらないどんでん返しが始まる始末で、最後も
主人公がいまいち納得がいかないような素振りを見せて終わるなど、これなら友人を真犯人にしろよ、と
言いたくなる何ともスッキリ感のない中途半端な糞小説に仕上がっている。

また、陰獣は推理作家で元カレの男がストーカー化し女に付きまとうというストーリーで、同じ推理作家で
ライバルでもある主人公がその男の居所を突き止めるために天井裏で手掛かりを見つけたりするのだが、女の
夫が殺され同時にストーカーがいなくなったことからその夫自身がストーカーで夫は殺されたのではなく妻を
覗いている時に足を踏み外して川に落ちて死んだという馬鹿っぽい推理をする始末で、結局それは誤りで
本当は妻自身が推理作家で脅迫などのストーカー行為も全て自作自演で夫は事故死ではなく妻が殺した、と
改めて推理し直しその後に女が自殺するが本当に自殺なのか?やはり推理作家は女ではなくそいつが犯人では?
と最後まで曖昧な感じで終わるなど、これまたスッキリ感がないのは面白味がない。
妻が犯人にしては夫を殺した動機がいまいち曖昧だが、二転三転するにしても最後はきっちりまとめて欲しい
ところだろう。

というわけで、共に糞な今作。
陰獣は淫獣と混同されて乱歩が嫌な思いをしたらしいが、妻が鞭で打たれて喜ぶシーンを入れておきながら
そんなことを言っているのだから意味不明すぎると言えるだろう。
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