俺的糞小説その34『孤島の鬼』

江戸川乱歩が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、若くして白髪になった男が遭遇した事件を回想するストーリーで、貿易会社で働く主人公が同僚と
恋仲になるが学生時代の知り合いで同性愛者の男が恋仲を引き裂くために先に求婚し、そんな中で恋人が自宅で
密室状態で殺されその犯人を探すために探偵に事件を依頼するがその探偵も衆人環視の中砂浜で殺されるという
サスペンスな展開でそこまではまあ良いのだが、主人公は同性愛者の友人を疑い問い詰めるが自分も犯人を
探すために調査していたと言い出して推理が始まり、犯人は台所の上げ板から侵入した、というトリックでも
何でもないしょぼい推理をする始末で、第2の事件も砂浜で探偵に砂をかけて遊んでいた子供の内の一人が
犯人というつまらなさで、一応子供に指示を出した黒幕がいるものの動機は宝のありかを示す暗号が書かれた
系図帳を手に入れるためというこれまた馬鹿っぽい内容だったりなど、何ともつまらない糞小説に仕上がっている。

また、その後はシャム双生児による手記を発見したり新探偵役が身の上話を始めたりなど無駄に長く、結局
犯人は新探偵役の父親で孤島に住み奇形児を人工的に作り出して売り捌いていたことが分かるが犯人を追い詰めて
いくような展開はなく、宝探しで洞窟をだらだらと探索して彷徨っている内に白髪になったり島に閉じ込められて
いた女が恋人の妹であることが判明し結婚し同性愛の友人は犯人の本当の子供ではないことが分かり本当の親に
会いに行くがあっさり病死して終わるなど、推理小説から段々としょぼい冒険小説になるのは面白味がない。
これなら普通に同性愛者の友人を犯人にした方が良く、子供を使うのではなく普通にトリックを考えて欲しい
ところだろう。

というわけで、特に後半がつまらない今作。
手品も現象の割にはトリックがしょぼいものが多いが、もう少し感心させられるような良い仕掛けにして欲しい
ものである。
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