俺的糞小説その30『鼻&地獄変』

芥川龍之介が書いたこの小説、糞である。


この小説、鼻がやたら長い僧侶が鼻を短くする方法を探すというストーリーなのだが、お湯で鼻を茹でてその鼻を
人に踏ませると短くなるという話を聞きそれを実行したらなぜか本当に短くなるという謎展開で、せっかく鼻が
普通になったにも関わらずなぜか周囲の人間に笑われ、これは傍観者の利己主義で相手を不幸に陥れたくなる
気持ちの表れという説明が入るがいまいち納得のいかない謎理論で、しばらく経ったら鼻がむず痒くなりまた元の
鼻に戻るがこれでもう笑われなくなると納得して終わるなど、鼻が長かった奴が普通になったら普通笑わないだろ、
と言いたくなる何とも意味不明な糞小説に仕上がっている。

地獄変
また、地獄変は顔が醜く性格も悪いが腕前は一流な絵師が殿様から地獄変の屏風を描けと命じられるストーリー
なのだが、地獄絵図を描くために弟子を鎖で縛ったりミミズクで弟子を襲わせたりと奇妙なことを始め、更に
牛車の中で焼け死ぬ女を描きたいから実際に用意してくれと殿様に要望する異常っぷりで、結局本当に女が
生贄となり生きたまま焼かれるがそれが絵師の娘であることに気づきながらも描き続けて立派な屏風を完成させ、
最後は良心の咎めからか首を吊って死ぬなど、そもそも見なくても想像して描けよ、と言いたくなるだけで
何が言いたいのか分からずスッキリ感がないのは面白味がない。
今作は芸術のためなら何でもする芸術至上主義を描いたらしいが、別に自分で自分の娘を焼いてくれと頼んだわけ
ではなく主人公は子煩悩であるという描写もあるのだから娘と気づいた時点で止めるのが自然であり、せめて芸術の
ために泣きながら絵を描く描写を入れたり最後は屏風を渡す時に娘を殺した殿様に復讐するシーンを入れるべきだろう。

というわけで、今回も糞だった芥川龍之介作品。
今回もオリジナルではなく宇治拾遺物語が元らしいが、地獄変の原作は火事で自宅が燃えたのを見てこれで
良い炎の絵が描けるというそれだけの話で娘が焼かれるといった要素はないのだから変な方向にアレンジしすぎたと
言えるだろう。
inserted by FC2 system