俺的糞小説その28『黒蜥蜴&人間椅子』

江戸川乱歩が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

黒蜥蜴
この小説、黒トカゲという女盗賊と名探偵明智小五郎が対決するストーリーで、とある令嬢の誘拐に黒トカゲが
成功するが明智が先回りして防ぎ犯人には逃げられてしまうといういつもの展開で、そこは駆け引きがあり悪くは
ないもののその後は自宅で椅子の中に隠れていた黒トカゲの部下にあっさり誘拐される始末で犯人が逃げた船に
明智が潜入するが椅子の中にいることがあっさり見つかり海に沈められたり、誘拐したのは人間を剥製にして
コレクションするためということが判明し裸にされて檻に入れられるが、明智が部下に変装して助けに来て海に
沈められたのは黒トカゲの部下で偽物、檻に入れらている人間も令嬢ではなく明智の部下で偽物、アジトに飾ってある
剥製の人形は警察官の成りすましというわざわざ入れ替わる必要性のない馬鹿っぽいトリックを暴露して敵を
追い詰めて黒トカゲは自害して終わるなど、何ともいまいちな糞小説に仕上がっている。

人間椅子
また、人間椅子はある金持ちの妻が椅子職人から届いた手紙をひたすら読むというストーリーで、そこには椅子の
中に自分が入ってそのまま購入者の家に運ばれてその先で盗みを働くという犯罪や椅子になった自分の上に人間が
座るのが快感になり持ち主に恋をしたことなどが書かれており、それを読んだ妻は気持ち悪がるが結局最後はそれは
単なる創作小説であることが分かって終わるだけで殺人事件などは起こらず盛り上がりがないのは面白味がない。
江戸川乱歩は椅子ネタが好きなのか知らないが、どうせなら密室殺人で犯人が椅子の中に隠れてやり過ごすなど、
殺人事件と組み合わせて欲しいところだろう。

というわけで、共に糞な今作。
人間椅子は同名のマイナーなロックバンドがあるが、糞曲だらけなのは勘弁して欲しいものである。
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