俺的糞小説その25『本陣殺人事件』

横溝正史が書いたこの推理小説、糞である。※ネタバレ全開

この小説、とある資産家の屋敷で起きた殺人事件を名探偵、金田一耕助が解き明かすという推理小説で、屋敷の
長男が結婚をしその夜に新郎新婦が惨殺され、現場には三本指の血の跡と壊れた琴が残されていて庭には凶器と
される日本刀が刺さっており外は雪が降っていたにも関わらず犯人が逃げた時の足跡がなく密室状態だったことが
分かるなど謎としては悪くはなく、その後は三男が襲われたり三本指の男の死体が発見されるなど次々と事件が
起こり探偵が次々と証拠を揃えて行くなどテンポ良く進むのは良いのだが、結末は死んだ長男が最初に花嫁を殺し
次に自殺し凶器の刀は琴の糸に結び付けて水車の力を使って屋敷の外に運んだという何ともいまいちな内容で、
しかも動機は妻が処女ではなかったからというくだらなさで、三男の事件は自演で三本指の男は過労による自然死で
偶然死体を見つけた長男がそれを使って本番のための実験をしていたところを三男に見つかり、これから起こす
殺人事件が自殺とバレると三男に入るはずの保険金が出なくなるから黙っていろ、と言って三男も犯罪に加わり
三本指の男を犯人に仕立て上げたという結末で結局無駄に複雑にしただけでスッキリ感がないのは面白味がない。
これなら普通に三男が犯人で良く、密室殺人は自殺だった、という拍子抜け展開は絶対にやめるべきだろう。

というわけで、事件の過程は悪くはないが結末がつまらない今作。
今作は江戸川乱歩に動機が不十分と評されて加筆したらしいが、どうせなら犯人もトリックもしょぼいと評して
欲しかったものである。
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