俺的糞小説その20『パノラマ島奇談&奇面城の秘密』

江戸川乱歩が書いたこの小説、糞である。※ネタバレ全開

パノラマ島奇談
この小説、自分にそっくりな大学時代の金持ちの同級生が死にその人間に成りすまして財産を手に入れるという
ストーリーで、自殺に見せかけて自分を消し成りすまし相手の墓を掘り起こして死体を処分し墓から甦った風を
装い上手く家に入り込むのだが、その後は私財を投じて作ったパノラマ島という庭園をひたすら見学する展開に
なるのは面白味がなく、妻に別人であることを指摘されて殺害し最後は探偵に主人公が過去に書いた小説に
パノラマ島が似ていることやその小説を元に妻の死体のありかを暴かれて罪を認めて自殺して終わるのは駆け引きが
なさすぎていまいち面白味がない。

奇面城の秘密
また、奇面城の秘密は探偵明智小五郎の元に依頼人がやって来て怪人四十面相に油絵が狙われているから助けて
くれと言われて警察と共に警備に行くストーリーなのだが、絵は守れたものの何度も犯人に逃げられるという
駄目っぷりで、最終的に奇面城という悪魔のような岩山のある敵の本拠地で四十面相の部下に変装するなどして
遂に逮捕するがいまいち盛り上がりがなく捕まえてすぐに終わるなど、これまた見どころがなさすぎて良さという
ものがない。
怪人二十面相シリーズは子供向けらしいが、もう少し明智と怪人の知的なバトルを楽しめるものにすべきだろう。

というわけで、共に糞な今作。
今作はそもそも推理要素がないが、探偵小説なら面白い謎を用意して欲しいものである。
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