俺的微妙小説その2『イワンの馬鹿』

ロシアの作家、トルストイが書いたこの小説、微妙である。

イワンの馬鹿
この小説、3人の兄弟とその妹を描いたストーリーで、3匹の悪魔が兄弟を争わせるためにそれぞれの仕事の
邪魔をし、軍人の長男を戦争に負けさせて職を失わせ商人の次男は金遣いを荒くさせて破産させるなど上手く行くが
三男で百姓のイワンだけはいくら農作業を邪魔してもへこたれず、逆に捕まえられてそれぞれの悪魔から藁から
兵士を作り出したり葉っぱから金を生み出す能力やあらゆる病気を治す木の根を与えてしまうなど、一見駄目
そうな末っ子が勝つという3匹の子豚のようなまあまあ面白い小説に仕上がっている。

また、その後はその能力を使って長男と次男を救い王にし自分もとある王女と結婚し3つの国が生まれるが
今度は悪魔の親玉が現れて再び長男を戦争に駆り立て負けさせ次男の国では全ての資産を金で奪い2つの国を
滅ぼし、残ったイワンの国を軍隊で制圧しようとするが国民が無抵抗で優しすぎて兵士がやる気をなくしてしまい
失敗し、次に金によって資産を奪い取ろうとするが国民が金の価値が分からずもういらないと言ってこれまた
失敗してしてまうという国王も国民も純粋な馬鹿なだけに救われるという展開になるのは面白く、最後は
肉体労働より頭を使った方が楽に儲けられると演説するが見向きもされず転んで頭をぶつけて力尽きるという
軍国主義VS平和主義の戦いのような内容で終わるのは良いのだが、イワンが結婚する時に王女の病気を治したら
という条件があったが木の根を使わずに勝手に治ったのは謎で、悪魔がイワンに軍隊を作ろう、反対する奴は
死刑にしようと呼びかけた時に一度は賛成するなど、どんな提案でも賛成してしまう馬鹿っぷりなのはいくら
何でも何とかすべきだろう。

というわけで、悪くはないがいまいちな今作。
その後ロシアは独裁国家になり崩壊し現在も軍拡独裁路線で格差も激しいなど、社会主義の理想とかけ離れた
わけの分からない国になっているのだから何とかして欲しいものである。
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