俺的微妙映画その15『君の膵臓をたべたい』

君の膵臓をたべたいPV
住野よるの小説が原作のこの青春映画、微妙である。

この映画、高校教師が高校時代のことを思い出すストーリーで、真面目な男子高校生が膵臓の病気で先が長くない
という同級生の女子高生とデートをしたり旅行をしたりと人生最後の願いを付き合わされながら次第に親交を深めて
行く展開はまあ良いのだが、せっかくの最後の思い出作りが別の要素でぶち壊されるのはいまいちで、最後も大人に
なってから見つけたメッセージを読むだけで盛り上がりが薄く、人に臓器を食べてもらうと魂が生き続けるという
カニバリズム的な主題もあまり必要性がないなど、何ともいまいちな映画に仕上がっている。

また、原作では大人時代はなく親友の結婚式の描写などは映画版だけのオリジナルらしいが、それだけならともかく
主人公とヒロインの親友が大人になってからようやく和解するという何とも微妙な改変がなされており、結局
高校教師になるまでの描写も描かれないのはいまいち納得がいかないものがある。
そもそも改変するならこの思い出作りのぶち壊しを何とかすべきであり、もう少し二人の関係を進展させるなど、
盛り上がりが欲しいところだろう。

というわけで、色々といまいちな今作。
インパクトのあるタイトルを付けて興味を持たせる、という意味では成功かも知れないが、もう少し中身も感動
できるものにして欲しいものである。
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