俺的微妙映画その３『ベイマックス』

ベイマックスPV
マーベルコミックのビッグヒーローシックスを原案としたこのディズニー映画、微妙である。

この映画、高性能なロボットを作れる天才少年が兄が大学で作ったベイマックスというマシュマロマンのような
看護ロボットを戦闘用に改造して火事を起こした犯人と戦うというストーリーで、マイクロボットという自由に形を
変えられるロボットの動きやそれぞれ能力の違う仲間達との共闘バトルなどなかなかアクションとして面白く、
兄が実験を繰り返して人々のためにロボットを作るシーンなど感動的要素もあり良くできているのだが、大学に入学
してロボット工学を学ぶという夢と希望溢れる序盤から一転して葬式ムードになる展開は唐突すぎて失望感が強く、
結局火事が起きた原因が人為的だったのかも不明で、マイクロボットを使って生き延びたということはおそらく事故
なのだろうが、そうなると犯人への復讐は単なる主人公の勘違いになってしまい、復讐はいけないという今作の
テーマの前提が崩れてしまっているのは何とも残念なものがある。

そもそも、仮に火事が人為的だったとしても火事の中に飛び込んだのは自分自身なわけで、復讐というなら主人公を
助けて死ぬなど、もう少し直接的に犯人を恨むような描写を入れてからそれを乗り越えるという展開が欲しかった
ところだろう。

とは言え、アクションの面白さや感動シーンなど、アナと雪の女王よりは良い今作。
アナ雪は続編が出るらしいが、次こそは姉妹愛だけではなく普通にハッピーエンドになるようなものに仕上げて
欲しいものである。