俺的微妙映画その２『白ゆき姫殺人事件』

白ゆき姫殺人事件ＰＶ
湊かなえ原作のこのサスペンス映画、微妙である。

この映画、白ゆき石鹸という商品を開発した化粧品会社の美人社員が滅多刺しの焼死体で発見され、それを同僚の
女の知人のテレビディレクターが調べていくというストーリーで、取材をしていく内に特定の人物が容疑者として
浮かび上がってそれがワイドショーやツイッターで拡散して行くのだが、後半で全く別の真実が明かされる展開に
なるのは良く、マスコミやそれに乗せられてツイートする人間がいかに情報に惑わされやすいかということを
皮肉った内容なのはなかなか面白い。

しかし、前半はひたすら取材で後半は真実が語られるというだけの構成なために単調で、特に緊迫感のあるような
展開もなく、主人公が少しトロいせいかいまいち盛り上がりがないのは何とも残念なものがある。
やはり、せっかく主人公が追い詰められていく内容なら、もう少し主人公の心境の変化を同時に描写するなど、
心の葛藤の部分を描いて欲しかったところだろう。

とは言え、現代のネット社会を風刺したような内容はなかなか良い今作。
同じ原作者の映画の告白もまあまあ面白かっただけに、次は湊かなえ脚本の推理ゲームでも出して欲しいものである。