俺的糞ゲーその59『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』

以前にこのシリーズは糞ゲーと言ったが、それは今回の新作も同じである。

まず今回、戦闘の視点が変わったため、自分のポケモンは拡大され、ダメージを与える瞬間には
敵のモンスターが拡大される。そのため、ドットが非常に粗く汚くなる。これは改悪である。
3Dを活かしたヒウンシティなどの町も、縮小などでドットがつぶれて汚い。これもDSの性能で
無理にすることはなかっただろう。
他の基本システムは以前と変わらないため、シリーズ全体に共通することでもあるが、
ゲームを始めると、最初はダッシュできない移動速度の遅い状態で次の町まで行かされる。
これは何の縛りなのか？意味がわからない。最初から普通の速度にすればいい話である。

そして、ポケモンシリーズ恒例のバトルのテンポの悪さ。
エンカウント開始からコマンドのたたかうを選ぶまで12秒。
ポケモントレーナーとのバトルでは更に長い16秒も掛かる。
ロードするデータ量は大したことないくせにこの長さ、非常にテンポが悪い。特にレベル上げをすることの多い
このゲームでこの長さは致命的である。完全に開発者が故意に仕掛けたプレイ時間の引き延ばしと言えるだろう。
また、HPの減りや経験値取得ゲージの速度は速くなったものの、レベルが上がる度に取得経験値が低くなる
というよくわからないシステムが導入されてレベルが上がりにくくなり、結局プレイ時間は引き延ばされている
のは意味がわからない。更に、戦ったモンスターにしか入らない経験値システムは健在で、
色々なポケモンを育てるのに非常に手間が掛かる。
これはドラクエのように、戦わなくてもある程度経験値を取得できるようにすべきだろう。

そして、問題の強すぎる弱点属性の攻撃。
弱点属性の技を食らうと、同レベルならほぼ２発で死亡。急所に当たれば一撃で死ぬこともあるというあまりに
極端なゲームバランス。これではジャンケンをしているのと同じである。せめてダメージ１．２倍程度にすべきだろう。
また、技がたくさんあるくせに４つしか覚えさせられないという糞仕様。ゲーム進行上絶対に必要になる秘伝技
も覚えなければならないわけで、これではほとんどの技を覚えられず、試すことすらできない。
せめて、テイルズのように、ステータス画面で使いたい技を自由に装着できるようにすべきである。

そして、相変わらずストーリーは、ひたすらジムを巡るという単調な展開で意外性もなく、盛り上がらず、

今回はジムリーダーがイベントに参加するため、多少は改善されてはいるが、特に面白くもなく、
各町はあまり特色がなく、キャラの個性も薄く、プレイしていて記憶に残らない。
この町はどんな町だったか？と聞かれても、町の名前すら答えられない。まるで空気のような世界観である。

このように、このゲームには問題点が山積みである。これがまだ１作目であれば、多少の問題点は
しょうがない、と思うがすでに５作目であり、リメイクもいれればそれ以上。
それでこの出来では、全く納得できない。
また、ポケモンゴールド、ソウルシルバーでは先頭のポケモンを連れて歩くことができたが、今作ではまた
できなくなっている。おそらく、モンスターが増えすぎて歩く時のドット絵を作る時間がなかったのだとは思うが、
以前にできていた良い部分ができなくなっているのは、完全に劣化である。

もちろん、色々なモンスターを集めて図鑑を埋める収集要素は楽しく、難易度も難しくないため、
他の縛りだらけの糞ゲーと比べれば面白い。
しかし、前述のプレイアビリティを損ねる数々の要素やプレイ時間を引き延ばしている様々な仕様が
全く改善される気配もないのは、非常に問題である。
特に、このゲームのプレイヤーは小学生が圧倒的に多い。
小学生の勉強時間を大量に奪うこのゲーム。これは、極端に言えば日本の教育に打撃を与える
害悪ゲームであるとも言えるだろう。