格闘ゲームは本当に複雑化したのか?

任天堂の岩田を含め、多くの人は言う。
「格闘ゲームは複雑化し、新規層が入り込めなくなり、衰退した」、と
一見もっともらしい意見に見えるが、よく考えれば全く的外れなことがわかる。

格闘ゲームブームの先駆けとなったのはもちろんスト2である。
キャラクターとキャラクターが互いに技を繰り出し、HPを削りあって戦うアクションゲームの新ジャンル。
スト2以前にもイー・アル・カンフーなど、それに近いものはあったが、それを格闘ゲームとして洗練させたのは
紛れもなくスト2である。

では、本題の、複雑化について考えてみよう。
はっきり言えば、格闘ゲームのコマンドはスト2の時点で複雑である。
波動拳は下、斜め右、右を入力した後にパンチボタンを押して出す技だが、初めてプレイする人間がそう簡単に出せる
ものではないだろう。
特に昇竜拳は更にやりにくく、何度も練習した覚えがある。
そして、コマンドが更に複雑になる超必殺技。最初に取り入れたのは餓狼伝説2だったと思うが、その複雑なコマンドは
必殺技の比ではない。

しかし、コマンドが複雑になったから人気はなくなったのか?
と言われれば、それは全く当てはまらない。
なぜなら、餓狼伝説は2でブレイクしたゲームであるからだ。

では、コマンドではなく、システムの複雑さを考えてみよう。
格闘ゲームといえば、コンボである。技と技を繋げて連続ダメージを与える、という
スーパーストリートファイター2で取り入れられたシステムだ。
しかし、これもKOFシリーズではコンボが更に人気を過熱させた要素でもあり、
格闘ゲームの奥深さを高めたこのシステムが人気を奪ったなどとは考えられない。

そして、最近の格闘ゲームはこれらに比べて複雑化したか?
と言われれば、全くされていない。
投げ抜けや受身など、細かい部分は加わったかもしれないが、基本システムは今と昔ではほとんど変わらない。
一体どこが複雑化して、そのせいで人気がなくなったのか?
全くの的外れであることがわかる。

では、なぜ人気がなくなったのか、を考えてみよう。
そもそも、どんなゲームもブームがあり、それ以降は衰退したり、再び人気が出たりを繰り返すのが普通である。
あのダンスダンスレボリューションも、今ではやる人は一部のマニアのみ。
昔売れていたゲームのシリーズで、消えてしまったものなど山ほどある。
結局は、似たようなゲームを連発しすぎて飽きられたか、糞ゲー化して誰もやらなくなって消えたか、
そもそも単なる話題性で売れていただけ、のどれかだろう。
格闘ゲームは、似たようなゲームを連発しすぎて飽きられた、これに当てはまると思える。

「複雑化し、新規層が入り込めなくなり、衰退した」
こんな的外れなことをもっともらしく言い放つ任天堂の岩田。
いまだに数百万本も売れているポケモンの方がよっぽど複雑化してるだろう?と言ったら
なんと答えるだろうか?
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