俺的微妙ゲーその23『テイルズオブグレイセス＆エフ』

テイルズオブグレイセス
現在、テイルズシリーズの中で最もましなもの、それが今作である。

テイルズと言えばどれも今まで面倒なシステムが満載で、特徴であるアクション戦闘も単調でつまらなかったが、
今作ではそれらが色々と改善されている。
例えば、今までは次に行く場所や目的がわかりにくかったのだが、常に確認できるようになったり、ダンジョンの奥で
ボスを倒した後にまた歩いて引き返すといううざい仕様がなくなり瞬時に戻れるようになったり、スペクタクルズという
アイテムを使わないと敵の情報が引き出せないシステムが自動で引き出せるようになるなど、できて当然のことがようやく
できるようになっている。
また、戦闘は今まで１種類のコンボと必殺技のみであったが、それらに更に武器のスタイルチェンジと４種類のコンボが
加わり圧倒的に攻撃のバリエーションが増え、攻撃モーションもスピーディーになり効果音も多少ましになるなど、
爽快感も大幅に高まっている。

しかし、それでもまだ良ゲーと呼べるほどではなく、ストーリーは序盤の子供時代から大人時代へと切り替わる展開や
変貌した幼馴染との再会やチャットなどは面白いのだが、無駄にSF要素が加わり造語を連発するようになる中盤辺りから
一気につまらなくなり、やたら引っ張るボスとの戦いや結局リチャードは仲間にならず終わるつまらない展開などいまいち
盛り上がりがなく、ブロックを押したりバッテリーを運んだりなどの面倒でつまらないダンジョンの仕掛けは今までの
テイルズと大して変わらずチャットはいまだに文字を送れないなど、進歩がない部分も多いのは残念なものがある。
今回はワールドマップがないというのもいまいちだが、無理矢理ＳＦ要素や造語を入れて来るのはいい加減にやめて
欲しいところだろう。

テイルズスタジオには、いのまたチームと藤島チームの二つがあり、
いのまたチームはデスティニー、エターニア、デスティニー２、リバース、グレイセスなど、
藤島チームはシンフォニア、アビス、ヴェスペリア、ラタトスク、エクシリアなどを担当しているということだが、
こうして見ると、いのまたチームの方が戦闘やストーリーなど、まだましのように思える。
いのまたチームの次回作がどのハードで出るのかはわからないが、次こそは戦闘もストーリーも両方楽しめる、
良作RPGにして欲しいものである。

※追記
その後、PS3に移植されたが相変わらずチャットは文字を送れず、リチャードが仲間になる追加ストーリーが加わったが
前に行ったダンジョンにまた行かされたり新規ダンジョンではやたらワープポイントが多かったりとうざく、結局
Wii版では追加要素が配信されないという酷さ。