俺的微妙ゲーその5『毛糸のカービィ』

元々別のゲームとして制作していたものを途中からカービィに変更して作られたこのゲームだが、微妙である。

このゲーム、落とし穴に落ちても何度でも復活し、敵の攻撃をいくら受けても死なない。正に激ヌルゲームである。
しかし、問題はそこではなく、攻撃のつまらなさにある。
攻撃は、糸で敵を捕縛して投げるだけ。ステージ内で強制的に戦車やイルカに変身することはあるが、
剣で敵を斬ったり炎で敵を焼いたりと、従来の爽快感のある攻撃がない。
ステージ自体は色々なギミックがあり、同じようなステージがなく、時間を掛けて作られた、と感じさせるが、
この間接的な攻撃のみでは、いまいち面白みがない。
一応、クリアはしたが、達成感も何も残らない。空気のようなゲームである。

それにしても、社長が訊くを読むと、キャラクターのデザインに3ヶ月掛かっただの、
随分と無駄のある開発と感じさせる。
最初に毛糸の世界観のゲームを3ヶ月掛けて作ってみたが、アクションゲームとして物足りなく、
トゲだらけにしたらやたら難しくなり、最初のコンセプトともかけ離れ、企画自体が潰れそうな時に
任天堂の提案でカービィにしたらようやくまとまっただの、まるでゲームを初めて作る学生のようである。

新人、ベテランに関係なく、ゲーム開発のインタビューではたびたび仕様変更の繰り返しのような話が出るが、
なぜ、最初からきちんとした仕様にしないのか?
とりあえず世界観だけでゲームを作り始め、それを触りながら、ゲームの内容を決める。完全に逆である。
スマブラを作った桜井政博は、最初から完成イメージが頭の中で完璧に動いている、と言うが、
これこそが普通の開発方法だろう。
いちいち作って見て動かさないと何もわからない、こんな適当な作り方をしているから、
無駄に開発期間が延び、結果的に納期に追われ、中途半端なゲームが完成するのである。
ゲーム開発の現場では徹夜やサービス残業が当たり前のようだが、こんな開発方法ではそうなるのも
当然と言えるだろう。
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